建物は、老朽化すればリニューアルして新しくすることが出来ます。
近頃、くしゃみをしても、咳払いをしても、笑い声を立てても自分の亡くなった父親にそっくりになったと周りからも言われますし、自分でもそう感じる事があります。
それは自身の老化を意識することの一つです。
この老化の解消法に人間には整形があります。今、美容整形は大流行のようです。女性ならず男性でも希望者が多いと聞きます。
しかし、顔は若返っても変えられないものがあります。それがこの老化した所作動作と姿勢、そして年を経て培ってきた考え方です。
顔が若返れば、内面も若返るという人が居ます。多少それはあるかもしれません。
外観が心の内面まで影響をする。それは、服装を変えたりしただけでも在りますから。
しかし、人工的に作られた偽物の美しさだけで完全に心が美しくなるのでしょうか・・・・。
リフォームをするポイントも何かそんな所から学べるような気がします。つまり、表面だけを綺麗にしても基礎や土台・構造がほったらかしでは後で問題が起こると言う事です。
建物の改造・改修工事には、今後建物を維持していく観点を抜きには計画してはならないと言う事です。表面は若返っても中身は古いままでは・・・・。
「耐震性を強化して欲しい」これは、最近よくある依頼です。
「家は、古いが愛着がある。」
「このまま住みたいが、地震が来た時、持つでしょうか」
どんな地震がどんな規模でどう来るか判りませんのでパーフェクトはありませんが、耐震性を強化する方法は有ります。
構造設計の先生に言わせますと耐震補強工事は、「基本的には地震のとき安全に逃げる時間を稼げる様にすることや」と言います。
「潰れなくしてもらえないのですか」勿論、その様に考えて強化工事の工夫をします。
しかし、地盤の状態・雨が降り続いたなどのその時の気象条件・工事に掛けられる予算・近隣建物との関係・例えば東南海地震と南海地震が同時に発生した等々、条件全てに完全に対応するためにはかなりの工事内容で対応する必要があるでしょう。
でも、この耐震補強工事の話が出る度に我々建築屋の仕事の意義を掴み始めています。
見掛け倒しの厚化粧美人を作るのではなくて、しっかりと内面を磨いて肝心の支柱を鍛えるのが我々の仕事です。
台風のためには屋根は重く、地震のためには屋根は軽く。
この矛盾にどう応えるか、悩みどころです。地震と台風とどちらが多いのか、地震と台風とどちらの方が破壊力があるのか、最近アメリカに上陸したハリケーン・カトリーナの様な巨大台風が来ないとも限りません。
新築の場合と違い、リフォーム工事の場合は制約があります。
リフォームの場合、快適に過ごせる空間を作ることも大事ですが、安全と言う安心を買うことも大切な要素です。
ご相談頂ければ、一緒になって考えさせて頂きます。
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