究極の安全

アインシュタインは、「第三次世界大戦がどのように行われるかは私には判らないが、第四次世界大戦で何が使われるかはお教えできる。石だ!」と言っています。
つまり、第三次世界大戦で生き残れたとしても我々は、原始時代に逆戻りするということを言いたいのでしょう。

海外へ行って、「水道の水は飲まないで下さい」と注意されることがあります。
日本人の感覚では、飲めない水道水は考えられませんが、海外では普通 です。
日本での我々の生活は、電気・ガス・飲料水としての水道のある便利な生活が当たり前となっています。

一時、“核シェルター”が話題になった時期があります。核戦争の際の防空壕を用意しようというものです。
“シェルター”の広告を見ますと、『放射能は発生すると同時に死にはじめます、爆発が起こった時10,000レントゲンだった放射能も2週間後には1000分の1に減少しています。危険な2週間をどこでどの様に過ごしたかによって皆さんのその後の人生が、大きく変わってきます』とあります。

誰でも人間の理性を信じたいのですが、北朝鮮の核実験のニュースを聞いてこの広告を改めて思い出しました。1メガトン(広島に投下された50倍の核爆弾)二発で、日本列島全体が、ダメージを受けると言われています。

この外部から完全に遮断された2週間のシェルターでの生活では、当然公共のガス・水道・電気は、使えません。
人が、何人避難しているかで必要量は変わりますが、換気と食料・水・トイレの確保が最低限要ります。そして、その間使う明かりの確保と心和ます音楽などが必要です。
2週間後、シェルターから出た時、外には多分、飲める水も使える電気もガスも無いはずです。食料を売っているコンビニも在りません。その後どれぐらいの燃料と食料を用意しておけばいいのでしょうか?

シェルターから出た時に我々が見るのは、広島平和記念資料館で見た焼け野原と瓦礫の山です。それも局地的では無く、日本全体に広がっている状態だと言う事です。
その状況でも、我々は長崎や広島のような復旧を遂げて、元通 りの生活に戻れるのでしょうか!

地下室を作るのは、基本的には通常の建築単価の2〜3倍の予算が掛かると思えばいいでしょう。地下室では、大声も出せますしカラオケでどら声を張り上げようが、楽器を演奏しょうが、近所迷惑にならない施設として使えます。
昨日、北海道で竜巻の被害が有り死傷者が出たとニュースがありました。核戦争を予定しなくとも異常気象等にも当然対応出来ますし、多目的に地下室を作っておいてフル活用出来るのであれば、少々お値段は高く付いても意義があると思います。

世界中に事実として核兵器が存在する以上、核戦争が起こらない保証はありません。
しかし、体験の無い2週間とその後に待ち受けている生活をシュミレーションしておく必要が有ります。
生活する空間に、付け加えるソフト(心と精神と思想や哲学)を一緒に共有してくれる仲間が相俟ってその空間は活かされるのであって、そこでの生活は、“究極の安全”だけでは決して快適な時間が待ち受けていることにはならないでしょう。

2006.11.7