上海事情

昨年の北京に続いて、今年もガーデンラボの社員研修旅行に参加させてもらい中華人民共和国“上海”に行ってきました。
2008年は、北京オリンピック、2010年は、上海万博です。
この急速に経済発展していく国の最前線を目の当たりにしますと、その活力に圧倒されます。

ガイドの話によりますと、上海の人口はこの町に戸籍を持つ人が約1700万人その他移入人口が既に600万人居るだろうと言うことで、計2300万の都市です。
工業都市重慶が、3300万都市で、それに次ぐ中国二番目の町です。
人口が東京の2倍ですから、車の数・自転車、バイク、電動自転車の数は半端ではなくその多さにまず驚かされます。運転も警笛を鳴らしてのかなり手荒い運転が目立ちます。
この町は、自由主義ではなく勝手主義で相手のことを一々構ってられないと言うのが本音の様な雰囲気です。

土曜日の朝、宿泊した上海大廈(Shanghai Mansions Hotel)を出て川沿いに歩きますと、どこの中国の町でも見掛ける太極拳の団体に出くわします。
洋凧を揚げている人達は、いい年の親父ばかり、子供の姿は見えません。
子供の姿が見えないというのは、北京でも一緒でした。見掛けても6人の大人に子供1人が連れられているぐらいですから絶対的に少ない感じがします。

自動車は、現在毎月6000台づつ増えているそうです。軽自動車は見掛けませんし、結構良い自動車が使われています。
現在の中国にとっては、今も高額な買物だと思うのですが、経済発展を裏付ける増加ぶりです。それに上海の車番を取ることも難しいと聞きました。
その反面排気ガスによるものか、現状の大気の状態は決して良い様には感じられません。

北京も香港も上海も地震が無いために限られた地域に高層ビル群が林立しています。
防災上の都市計画や都市機能に必要なエネルギー(電気・ガス・給排水・ガソリンスタンド等)の整備は、同時進行で進められているのでしょうか?
道路はかなりのピッチで整備が進められていますが、それでも朝夕のラッシュ時は、大渋滞です。経済活動拡大のスピードが、並みではない国の活力が漲っている事は事実ですが・・

町の秩序を整えれば、町の秩序は守られるようになるのでしょうか?現状の中国の姿からは、都市の変貌振りに国民が付いて行けていない様な印象を受けます。
中国は、最新の技術やデザインを海外から上手く導入していると思います。素晴らしいデザインのビルが沢山あります。
つまりここ10年〜15年ぐらいの間に建てられた建物が多いと思われますが、世界中で超高層のビルが建てられてきて、黎明期とは違い技術は進化し磨かれてきたと考えられます。
されど上海の工事中のビルの多さを見るに付け本当にこれだけの仕事をしていてこの国には熟練の技術者、例えば構造の重要な部分を担う、溶接工や鉄筋工は居るのかとか、コンクリートの種類も気温や打設する場所によって調合を日本の場合変えていますが、そんな細かい配慮をしながらこの建築群が建てられているのか気になるところです。

上海には、戦前の古いビル群が沢山残っています。超近代的なホテルに泊まるより、私なら少し落ち着いた、そんなホテルに泊まりたいなと! そんな風に思いました。

2006.12.09