阪神・淡路大震災から今年(平成19年)で12年になりました。毎年1月17日になりますと、各マスコミでまだ特集が組まれます。
我々建築屋の12年前のこの日は、お客様を一斉に訪問し被害の状況の把握に努めました。
その時電話は、大混雑の為なかなか繋がらず携帯電話の方がまだ通
じたのですが、この12年で目覚しく携帯電話が普及したとはいえ当時、携帯電話はまだ社員の一部しか持って居ない時代でした。
会社に行ってまず驚いたのが70kgくらいある金庫が壁から離れて60cmくらい移動していたことです。
当時の会社は鉄骨3階建てでしたが、一階の土間に置いてあった金庫を動かした地震のパワーに驚いたものです。
我々の周囲の地震の被害の中心は、屋根瓦にありました。
瓦が振られて、ずれ落ちるケースが一番多く、壁の倒壊・剥落、タイルのひび割れと続きます。ブルーシートとそのシートを押さえる為の土嚢袋を買い込んで応急処置に走りました。この時ほど、瓦職人や左官職人が我々の周辺に少ない事に気付かされた時はありません。
お客様から連日、「修理を何時まで待たせるの!」とお叱りを受けました。順次修理を完了するのに4ヶ月近く掛かったことを覚えています。
この地震は、早朝(AM5時47分)であったためまだ火災による被害は、少ない方だと言われています。道路は、倒壊した建物で塞がれ、電車やバスといった公的交通
手段も完全に麻痺。神戸の中心地は、電気・ガス・水道は完全にストップしていました。
この時に、ソーラーパネル(太陽電池)が役に立ち電気を確保できたお家がありましたが、大震災は、ライフラインを完全に遮断されることを思い知らされた経験でした。
話は、変わりますが震災に係わるNHKのニュース中で建物の耐火性と耐震構造強化に繋がる材料として、サンドイッチパネルが紹介されていました。
この金属サンドイッチパネルにも種類がいくつかあります。
極めて優れた断熱性能を持つ省エネルギー外装材ですが、準不燃材と不燃材料のものとがありますので火災に強いものを選ばれるのであれば、防火構造の不燃材料の物を選ばれる必要があるでしょう。
昔から「災いは忘れた頃に遣ってくる」と言います。又、「備えあれば憂いなし」とも言います。改めて身の回りの準備をしておきましょう。
我々は、あの揺れを体験したとき何にも代えがたい“命”の有り難さに感謝し、どんな財産よりも“命”に代えられないことを思い知ったのでした。
我々は、“その時”家に居るか、職場に居るか、運転中か、通
勤の電車の中か何処にいるか、そして就寝中か、食事中かどんな状態なのか判りません。
結局自分を守るのは、自分自身の判断と冷静な行動にしかありません。
住まい・生活する場所が安全であること、そしてその様に作ることは、建築屋の使命です。
我々は、仕事をするに当たって、経験を活かし最善を尽くした、と言える事が常に目標となります。
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