『エネルギー』と真剣に向き合わなければ手遅れにならないか?

日清食品の安藤百福さんが亡くなり、その功績が海外でも高く評価されていることに気付かされました。
即席ラーメンは、20世紀の代表的な発明品と絶賛され、お湯を掛けるだけで手軽に食べられる万人向けの美味しい画期的な食べ物・保存食の発見者と紹介されていました。
ミスターヌードル安藤百福さんは言います「魚を取ることを教えよ、その人を一生食わせられる。即席めんを与えよ何も教えなくてすむ」

話は変わりますが、現在使われている石油等の化石燃料は、2140年で枯渇すると予測されて居ます。あと130年少しです。
その時までに、石油に匹敵するような代替エネルギーは見付かっているのでしょうか?

今、世界中の国が成長段階にあります。経済の維持発展にエネルギーが必要である以上、当然石油資源の奪い合いが始まると思われます。
石油等は、枯渇する前にピークを迎え、カウントダウンとなります。それから本格的に、資源産出国との難しい交渉が始まるでしょう。当然価格は高騰して行くはずです。

社会にエネルギーがいる様に人間にもエネルギーが必要です。それなのに21世紀は、人類全体が水不足と食料不足になると言われています。
世界の中で気候の穏やかで、水の豊かな日本の役割が見えてくるような気がします。

日本がエネルギー交渉にカードを持つとしたら“水”と“食料”です。そうである以上、我々建築屋も当然ながらその方向に向かって、お客様と機会が有るたびに具体的に取り組めることから始めだしています。

庭には実のなる木を植えておく方がムダがありませんし、食料をある程度常にストックできるスペースも考えておくべきです。雨水や井戸があれば日常的に使えるように改良すべきです。雨水は、庭用になりますが、町の中の井戸水であっても高性能な浄水器を使用すれば飲める様にする事も最近は可能です。

太陽電池や風車の風力発電もコストや発電量にはまだ問題はありますが、色々な製品が出て来ています。
一戸建てで小さな庭でもあれば、珪藻土で出来た七輪や炭で焼くバーベーキュセットがホームセンターでも売られています。
用意しておくのもムダにはなりませんし、普段から時折使用すればいいのです。

個人で出来る事はしれているとは言え、「やはり備えあれば憂いなし」の言葉通 り、いざとなれば絶対に役立ちます。
父親が農業をしている我が社の社員と話をしても都市近郊農家で経済的に自立していくことは無理だ、という話が常にでますが、国に対しては現状の原油が、ほぼ100%輸入に頼り、食料の需給率が40%では、世界の事情が変わった時にたちまちお手上げになってしまうことを政府に提言すべきだと感じます。
農産物つまり食料品(特に主食となる米・小麦・大豆・いも類等)輸出国に日本が転ずるための政策を国民として要求すべきです。
代替エネルギーがそれまでに見付かるという楽観論もありますが、我々の仕事が何世代にもわたって使用してもらう建築に係わる以上、次の世代が平穏に生活できる状況の確保がどうしても気に掛かるのです。

2007.2.14