『大阪情勢判断学会例会4月例会』−生活スタイルを糺すという部分−

第328回の大阪情勢判断学会4月例会のテーマは、「環境問題にどう係わりどう取り組んで行くか」でした。
参加者の一人の方が、自分の子供の頃の生活スタイルに戻っただけでも大きなエネルギーの節約になると言われました。

実際に自分自身が、そんな生活に戻れるのかと言う点を除いて納得できる意見です。
つまり、子供の頃の電車やバスに冷房はありませんでした。自家用車にもタクシーにも冷房は付いていませんでした。夏、バスや電車には扇風機が回っていて窓を開けて走っていました。その時は、ハンカチで汗を拭き拭き乗っていても当たり前でした。

家に冷房が入り、建具が木製からアルミに変わり気密性が増していきます。
家中夏は開け放し扇風機の生活をしていました。扇風機の無い時代は、団扇で扇いで凌いでいたのです。

人類の生活は、よく考えて見ますと歴史的には、扇風機やエアコンが登場して一般 に使われ始めてまだ精々50年ぐらいで、それ以前は我慢してきたのです。
蚊帳が網戸に変わり、蚊取り線香が電気蚊取り器にかわり、都市化が進むにつれ治安が悪くなり、家を締め切るためにクーラーを付けてしまいます。
道路は、アスファルトになり日中のこもった熱気が冷めにくく、その上を歩いて帰れば冷蔵庫の冷やしたビールが飲みたくなります。

確かに、子供の頃は普通に生活していた状態であっても現在は贅沢が身に付いています。
あなたはエアコン無しで生活できますか?火鉢やコタツだけで生活していましたが、その状態に戻せますか?
子供の頃シャワーがあっても出るのは水だけでした。薪で焚く五右衛門風呂は、たまには悪くありませんが、現在くべる薪はなかなか手に入りません。
人が入り終わった後には、水を足して焚き増しをしなければなりませんでした。焚きすぎると熱湯になって入れませんし、鉄は断熱の効果 がありませんので、続けて入りませんと冷めてしまいます。
でもそれでも家に内湯があるだけでも贅沢でしたが、今は、給湯器が普及してマンションであれば賃貸でも、風呂場・台所・洗面 所の3ケ所給湯は当たり前です。

トイレも子供の頃は、町の中でも汲み取りが当たり前で肥桶と肥杓子で掬い取って肥料としてリサイクルしていた時代も勿論知っています。
その後バキュームカーが普及し、浄化槽が登場し、水洗化が始り落とし紙から巻紙のトイレットペーパーへと変わりペーパーホルダーはトイレの必需品です。
今は和式は減り、洋式便器が主流となりました。腰掛けて用を足すという事を誰が考えたのか知りませんが、人類は野性味を失いましたし、その点、無防備になっている気がします。
戦争になっても今の若者に長期の野外戦は出来ないでしょう。

我々の子供の頃に当たり前であって普通であった生活に戻れば、エネルギーの消費は大幅に減るに違いありません。しかしその前に、老化した肉体を鍛えなおすことが必須条件となります。
冷暖房は、日常的に今もほとんど使っていないという方が居ました。そんな方にとっては何でもない事でもとっぷり贅沢に浸かった人間にとってはその節約は、命がけになるかもしれません・・チョット大袈裟かな!

2007.4.10