『笑山会』8月例会 「奈良西の京」
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8月12日(日)に奈良の西の京を歩いて来ました。
当日の奈良の気温は、35度でした。 歩くことが、体に良いのはわかりますが、やはり季節を選ばないと・・・そんな感じ!
この日の歩数は、18,000歩ですから8kmくらい歩いたのでしょうか、何度もお茶やスポーツドリンクを飲みながらの歩行です。

町を見るのは、歩くのが一番です。車や自転車では見逃すモノが歩くと見えてきます。
この時期、さすがの観光地奈良も歩いている人は少なく、日中は物好きしか歩いていません。逆に観光客が少なく混雑していないのは、有難いことです。

秋篠寺は、現在は単立寺院(単立宗教法人)と言う事ですが、元々は法相宗であったようです。我々が今回見て歩いた寺院は、喜光寺と薬師寺が法相宗。唐招提寺が律宗。西大寺が真言宗です。
法相宗は、中国創始の仏教宗派の一つで中インドから玄奘が持ち帰った経典がベースになっていると言う事です。

奈良西の京の周辺には、唐の影響を受けた或いは唐から伝わった仏教による寺院が、今日まで続いている趣です。
菅原天満宮は、各地にある天満宮に祭られている菅原道真公生誕の地に在る天満宮です。
現在は、学業の神様(天神様)として入試の時期に受験生がお参りに行きますが、ルーツが奈良にあることは、あまり知られていない様に思います。少なくとも私は知りませんでした。

喜光寺は、行基上人縁の寺ですが、本堂の形が東大寺大仏殿に大変似ており、試しの大仏殿と言われているそうです。つまり、東大寺の大仏殿の見本にされたと言うことの様です。
長い間、関西に居て何度も奈良を訪ねていますが、この事は有名なのかもしれませんが私はこの度その事を初めて知りました。
喜光寺は、睡蓮や蓮の花を楽しむ事の出来る寺でもありますし、少し離れて見ますと本堂の立派さが際立ちます。

奈良のこれらの寺院を見ていて感じるのは、都会に洒落た現代建築群が次々と建っていますが、まだまだ存在感で言いますとこれらの木造建築の足元に及ばない気がします。
現在の町の中に何百年と生き残れる建物がどれほどあるのでしょうか?
奈良にあるこれらの建物は、技術デザイン、バランス、力強さ優しさ共に対峙して眺めていて圧倒されます。
建物にも“こころ”や“志”が感じられます。宮大工や職人の手作りだからでしょうか?

真言密教の寺院には金銅仏などはなく、ほとんどすべて木彫仏です。
日本人にとって木はもともと神を宿すものであり、仏像が木で造られることにより神と仏が一体化したと考えられてきたのです。木で造られた建物にも思いが込められているはずです。

喜光寺を出て少し歩きますと、垂仁天皇陵があります。
この11代天皇は、一説によりますと180歳とか140歳とか153歳まで生きたと、どちらにせよ長命であったと記録があるそうです。嘘やろて、言ってしまえばそれまでですが、この伝説も歴史の街“奈良”らしいスケールで楽しめます。
建物の中に入ればそれ程に暑くなく、寺院の木立の日陰の風にも時折慰められ、刺激的な暑い一日を歩いて、満足するのはさすがに奈良です。
何度来ても季節折々の愉しみ方が出来ます。

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2007.8.20