花の一笑

来年の我が社の年賀状に使用する文字を「花の一笑」に決めました。
例年通り中井正信会長の書です。
現在は、Gラボさんの打ち合わせ室の壁に掛かっています。

「花の一笑」などという言葉は、ありません。
春の言葉に「花笑う」は、あります。「女の一生」に掛けて「花の一生」ではなく「花の一笑」にした訳です。
私の故郷の鹿児島ふるさと温泉に林芙美子の句碑があります。
「花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき」です。
作家の林芙美子は、“女の一生”を花の命に譬えたのだと思いますが、我々は、少し違います。
花を貰って怒る人は、普通はいません。花は、心和ませてくれます。
花って良く考えますと、命を絶たれた状態で可憐に咲いています。切花を見ますと、むしろその逞しさに圧倒されます。

人生で「一花咲かせたい」と言いますが、 春になると花は、毎年一斉に咲きます。
自然の力、天然のエネルギーが、我々に色々なことを教えてくれます。
さくらの花を見ていますと「花の一笑」が実感できます。

プリザーブドフラワーが市中に出回り、枯れない花も在ります。
でも花は、枯れたり散ったりする潔さがむしろ魅力です。花に風雪に耐える力はありません。虫には、興味を示してもらいたいようですが、人知れず咲き、人知れず散って行きます。

山歩きをしていて綺麗な花に出会うと感激です。原色の様々な色の花が、野山には用意されていて楽しませてくれます。

花が溢れ、花のある生活。
花に眼が向くようなゆとりが、社会を明るくするように思います。

私共の平成20年度の年賀状は、“花の一笑”です。
“花の一笑”をご笑納頂ければ幸いです。

2007.11.6