テイストエキシビション2007

GラボのI社長に誘われて、11月10日(土)に、京都南禅寺の南隣にある庭園「何有荘(かいうそう)」に行ってきました。
そこで3日間だけの“花”のイベントが行われていたからです。

花のデザイナー中山佳巳さんと日坂明広さんの二人が中心となったフラワーデザインの展示会です。
この二人は、ジャパンカップチャンピオン優勝者。
紅葉の始った「何有荘」の庭園も素晴らしいのですが、“花”に縁のない“花”の判らない、“花音痴”の私でも、展示作品には感激しました。

地球上で植物ほど我々を楽しませてくれる生き物は、無いと思います。
春の新緑、花盛り、そして秋の紅葉から落葉へと四季の多様な変化がそれです。
我々の周辺に花や草や木がなければ味気ない空間です。
植物は、大気中に酸素を供給する実務能力以外に
 “楽しませる”
 “感じさせる”
そして
 “訴える”
そんな力を感じます。
それは“神”の演出としか言い様のない事象です。

このフラワーデザイン展示会でも、花びら・葉っぱ・サボテンのトゲ・枯れた向日葵の花と茎など、自然の植物が巧妙にしかも大量 に組み合わされ造形されています。

人は好きなものは蓄えますが、でも花も葉も切り取ってしまえば貯蓄出来ません。
命は、貯金できませんから・・・ 命あるものが、朽ちるまで、その瞬間に最高の輝きを見せてくれます。
美しいだけではなく、色彩や姿にも感激します。
花ほど不思議で奇妙な生き物はありません。 その多様さに我々は、圧倒されるのでしょう。

平安末期の歌人西行が、
「願はくは花のしたにて春死なむ そのきさらぎの望月のころ」と詠ったように人は、なぜか花にこだわりを持ちます。
今生の別れには、花に囲まれ、花を見ながらそんな雰囲気が欲しいのです。
この世で見る最後は、美しい花園でありたい。 そう願う花の不思議な魅力。
イエスは言います「野の花がどうして育っているか、考えてみるがよい。働きもせず紡ぎもしない。しかし、あなたがたに言うが、栄華をきわめた時のイスラエルの王ソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。」

このフラワーデザインの展示品はふんだんに花を使った贅沢な現代アートです。
この世の最高の装飾品です。
借景となった“何有荘”のお庭にも見事に溶け込み、見事な共演に脱帽でした。

2008.1.10