『不況』

事務所の前にベンツを停めて入ってきた同業者が、「友人の会社に不渡り手形を掴まされて逃げられた!」と入って来るなり言いました。
私は内心「ベンツに乗れるぐらい儲けとったんや少しぐらいええやないか」と多少僻みぽく思ったのでした。

私は、現在1000ccの排気量の小型車に乗っています。
環境経営の“エコアクション21”に取り組んでいる関係もあります。

他人は、外見で簡単に判断します。
電話が掛かってきた初めてのお客さんに、社員と二人で軽自動車でお伺いして仕事を断られた経験が在ります。普段から知っているお客さんからも乗っている車を見て皮肉を言われる事があります。何も無理して乗っている訳ではなく、便利だから乗っているのですが・・・

我々の乗ってきた車を見て、自分の思っていた様な立派な会社ではでは無いと判断する眼力は単純です。社長が小さな車に乗っている会社は信用できないのでしょう。

日本にエコロジーが定着しないのは、こんなところにも在る様に思います。
我々の仕事を下請けしている会社の社長さん達の方が、我々よりいい車に乗っています。
外見で社会信用を作らなければならないし、高級車に一度乗るとレベルは落とせないのでしょう。今の私は、ガソリン代を少しでも節約する事の方が大事です。
同時にCO_2も削減できるはずです。勿論、乗らないのが一番の削減ですが・・・

日本人も平均にいい車に乗る様になりました。
社長だから高級車に乗らなくてはならないという道理は無いと思うのですが・・・
立派な人間はいい車に乗っているのでしょうか?
そうでなければ“立派な人”の予測や想像に反しているのでしょうか?

建築の仕事は“ご縁”だと親父に言われたことをいつも思います。
電話を掛けてもらったお客様は、千里ニュータウンの住宅でしたが、家のリフォームを頼む会社として我々の事が、見窄らしく見えたのでしょう。ご縁がありませんでした。

真面目に仕事をし、誠意を守れば仕事は来るは、“嘘”です。
しかし、我々の様にそんな遣り方しか出来ない会社もあるのです!仕方ない。

2009.2.14